デザインされた理想の谷、清水寺本坊庭園

紅葉の季節ということで、福岡県の瀬高町にある庭園を訪ねた。
前に訪れたのは4年ほど前だったろうか。。
今は、ここは町村合併で「みやま市」となっていた。
清水寺本坊庭園/福岡県みやま市

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本坊(お寺)の庭園なので、まず室内に上がり、座敷から庭園と出会う構成となっている。
最初はモミジの丘しか見えない。


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庭園全景。
中央に小山が「借景」されて見事に庭に取り込まれている!
モミジが植えられている左側の丘は斜めに築かれていて、庭の奥行き感を強調している!


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紅葉も鮮やかで美しいが、これを引き立てているのは緑の豊かさであると思った。
庭の眺めの手前にはこれだけの広い緑の空地がある。和の庭だがこれは「芝」である。よく管理されている!
芝の右側は一面の「杉苔」。


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庭の奥行きを強調するテクニックがもうひとつある。
庭の中程と一番奥にある「灯籠」がそれである。
(写真で確認できますか!?)
この二つの人工物が目に入ると庭がぐっと奥行きを持って見えてきます。
それまで一幅の絵の様に平板に見えていたものが場所(空間)として認識されるからです。
特に、一番奥の灯籠は感動的で、そこまでが庭園であることを誇らしく示しているとも言えます。


この庭は画家で僧の「雪舟」作ではないか?と伝えられている庭です。
(伝雪舟作庭園)
記録が残っていて明らかに「雪舟」作とされる庭園が京都を中心にいくつかあります。
(雪舟作庭園)
この九州の清水寺本坊庭園は「伝雪舟作庭園」であり、雪舟が作ったという記録は残念ながらありません。

しかし、
「借景」の手法、「奥行き強調」の手法、
灯籠をつかったいわゆる「焦点(フォーカルポイント)」の手法など、
優れてデザインの冴えた名園だと思います。



春には一日じゅうウグイスが鳴き、
今回訪れた秋にもなにか野鳥がさえずっていました。
美しく完璧にデザインされた谷は、変化する絵のように、
生きた「理想郷」のように、
洗練された生態系(ビオトープ)をつくるものだと新ためて感心させられました。

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by juka_kawashima | 2008-11-27 22:39 | 庭園紹介(九州)