「静」の一文字が誘う癒しの映像空間/福岡、友泉亭公園

友泉亭へは庭を歩きたくなった時に出掛ける。

「静」の一文字が気持ちの切り替えを求めてくる。
この時点で我々の世界がいかにノイズだらけであるかに僕らはまだ気付かない。
なぜならそこからやって来たばかりなのだから。
f0159794_19592093.jpg

長いアプローチ。
f0159794_20129100.jpg

門。
f0159794_202436.jpg

この門からの眺めは玄関を抜けて、奥が緑(庭)なところが好きだ。
奥には大きなドウダンツツジがある。
門と玄関の間の敷石も凝っていていつも見てしまう。
ちょっと阿弥陀くじのようでもある。笑
f0159794_206525.jpg

座敷の大広間に入るといきなり大きな池の中心にでる。
開け放たれた縁から見える風景は絵のようである。
f0159794_20115947.jpg

いつも座敷には長くは居ない。
どちらかというと外をあるいて新しい発見をしたいのである。
座敷からみる庭園を「定座式庭園」とでもいうなら、京都の「龍安寺」の庭園を思い浮かべるだろう。
ここでは視点は固定される。わずかに動く風景、鳥や風や、水のきらめきなどがよく分かる。
ただそのうち退屈して話など始めるだろうか。
お茶を頂いて耳を澄ませたくなるような「静」の庭鑑賞である。

f0159794_20304718.jpg

門を出て、半時計まわりに庭をめぐる。
細く暗い竹のある路。
すこし開けた畑のような場所。
茶室のある「侘び」た風情の路地庭。
深山を思わせる水の流れ。
滝の音。

風景は動くほどに様々に変化する。
こういう庭園を「回遊式庭園」という。
友泉亭のように池の周りを巡るものは「池泉(ちせん)回遊式」庭園である。
日本の名だたる庭園、名園はほとんどこの形式だ。
岡山の後楽園、香川の栗林公園、京都の桂離宮、修学院離宮、銀閣寺や金閣寺の庭園。。
池泉回遊式庭園は別名「大名庭園」ともいわれ、桃山時代の貴族の庭園から江戸時代の各国大名の庭園として、日本庭園の要素の集大成として完成した庭の形式である。
それは、座敷から眺めるタイプの庭も含んでいて、見る人が歩くことによって様々な風景が展開するように計算されている。
それまでの庭園が、ビデオカメラを固定したような定点観測であったものを、まさに、ビデオを手にして歩くムービーのような庭に変えた。
それは歩く人の早さや感じ方その時の季節や時刻にによって様々に変化する庭園という名の映像作品といえるかもしれない。
歩く事によって生まれた時間と感情のひとつひとつが「庭園」なのである。

木立をぬけて大きな池のまわりに出ると自然と気分がゆったりと大きくなるのに気付く。
f0159794_20515845.jpg

f0159794_20545293.jpg

それにしても美しい緑のグラデーション。
赤いモミジは新芽が赤い種類の「ノムラモミジ」。

隅のほうでなにやら怪しげな?写真撮影をしていた。
f0159794_20582474.jpg人のナルシシズムの表現ほど端からみていて恥ずかしいものはない。。

f0159794_2113255.jpg最後に入ってきた門を後にして、外界の騒がしさにも初めて気付かされるのである。


[データ]
友泉亭公園
福岡市城南区友泉亭1-46
開園時間:午前9時〜午後5時
休園日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合はその翌日)
アクセスはこのサイトが分かりやすいです。↓
http://www.mori-midori.com/sisetsu/08yusentei/access.html
[PR]
by juka_kawashima | 2008-05-10 21:15 | 庭園紹介(九州)