理念の園、石橋文化センター(3)-坂本繁二郎旧アトリエ特別公開-

センターの日本庭園、その南のはずれに『坂本繁二郎旧アトリエ』がある。
僕がここ石橋文化センターに興味を持つようになったのは、実はこの建物との出会いが大きい。

▼それはこのように立ち現れた。f0159794_0563912.jpg

▼正面はこう。付け足したような入り口の屋根の低さがいい。
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▼北面はこう。北側に吹き抜けの採光窓がある。画家のアトリエとわかる。f0159794_10150.jpg

▼入り口の隙間から中の様子を撮影する。この日はこれで帰って来た。
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後日、このアトリエの特別公開があると知り再訪する。
坂本繁二郎旧アトリエ特別公開

▼吹き抜けのアトリエ内部。
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▼反対側は座敷とロフトになっていた。斬新でシンプルな空間構成だ。
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▼ロフトへは階段で上る。上部が微妙に螺旋状になっている。
ロフトへは残念ながら立ち入り禁止。
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▼小屋組み(木組み)は豪快であった。棟に大きな筋交いが。組み梁とでも言おうか。
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▼もともとは八女にあったものを、1980年に石橋幹一郎氏が移築復元したもの。
それを昨年2007年にさらに保存修理。
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だから、外観の印象は随分と違う。
けれど、内部は当時のままに近い印象を受けた。
▼展示として、伝説の写真家、土門拳氏によるアトリエと坂本繁二郎の写真があった。
いい写真である。
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この日はボランティアのたぶん学芸員さんによるアトリエトーク(説明会)もあった。
このお話の中で、石橋文化センターの創設者である石橋正二郎氏がこのセンターに託した理念の一端と、正二郎氏と坂本繁二郎との交流と友情の一端を知ることができた。

美術センターがあって、美術館には作品が、庭園には制作環境を忍ばせる旧アトリエがある。
僕らはその両方を鑑賞することができる。
これは日本の画家や芸術家の取り扱われかたとしては、とても丁寧で恵まれているのではないだろうか。
だから絵画表現に一生を掛けた坂本繁二郎の制作したものはそれほどに素晴らしいと、美術には素人ながら思えるのである。そのように思わせてくれる環境、そのように伝えてゆく環境が美術には是非必要な気がした。
制作に没頭する繁二郎の邪魔をしないように、奥さんはそっと弁当を玄関に置いて帰ったという。その玄関とアトリエと見る時、人間としての繁二郎と残した作品の重さが感じられるように思った。

▼玄関
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最後に2006年の坂本繁二郎展の目録を買って帰った。
とても静かで美しい本で気に入っている。
表紙の絵は「放牧三馬」。
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by juka_kawashima | 2008-06-14 01:11 | 庭園紹介(九州)